「資金繰り表を毎月作成していますか?」と経営者に質問すると、「う~ん?」と首をかしげてしまうお客様がほとんどです。「作ってます。」といわれる方に、具体的な内容を伺うと資金繰り実績表を作成し、それが資金繰り表だと思ってる場合が多いのです。資金繰り表は、実績表ではなく予定表が企業存亡の要だということを知るべきでしょう。資金がいついくらあり、いついくら足りないのかを知ることが、実務上の実際の資金繰りです。会計学上の資金繰り分析とは少し違うのです。いついくら足りなくなるのかを知らなければ、企業は倒産してしまいます。
日々の業務に追われ、資金繰り予定表を作成しないまま時が過ぎて、資金が足りないと気が付いた時には「時すでに遅し」になっているのです。借入れは、企業経営の三本の柱の一つなのです。『売上を伸ばす』、『経費を抑える』、『借入金を調達する』ことがスムーズにいかなければ、企業経営は成り立たないことを知っていれば、日々の業務に追われていても資金繰り予定表は作成できるでしょう。
資金繰り予定表は、できれば簡単な表が良いでしょう。複雑だと記入するのも嫌になってしまうし、見てもわかりにくいものです。「シンプル・イズ・ベスト」です。
月の予定表・半期予定表・年予定表を作成し、利益計画ともドッキングさせて経営計画に役立てます。そして毎日調整して記入してください。
エクセルなどの表計算ソフトを使用すると、便利で効率がいいと思います。作成しても、資金状況は毎日刻々と変化します。企業経営は生き物ですから、資金状況が変わったときには、すぐに修正しなければなりません。予定概算で記入した金額は、確定したときにすぐに変更してください。