消費を抑えるあまり、必要な経費まで抑えてしまっては事業の発展は望めません。そして「安物買いの銭失い」になってしまったりもします。購入するべきかやめるべきか、その判断の基準は、生産性があるかないかだと思います。生産性とは、その経費を使うことによって売上にどれだけ貢献するかということです。
交際費を例にとると、経営者は「仕事をもらうためにどうしても必要なんです。」と言います。本当に必要ならいたしかたありません。その費用を使うことによって仕事が取れるなら使うべきでしょう。しかし、無駄な交際費も多いことを、もっと知る必要があります。
種まきだと言って交際費を使う経営者もいます。まいた種は必ず芽がでますが、蒔いたつもりがただ捨てていた場合も多いのではないでしょうか。見栄や体裁のために支出した交際費は、芽がでません。もう一度、生産性を考えてみる必要はないでしょうか。
生産性のないただ消費してしまう費用は極力少なくしなければなりません。1万円の支出は、それを投下資本として生産性のあるものに支出すれば、数年後には10万円になります。消費してしまった金銭はゼロです。
現在の1万円は、将来の1万円ではないことを知らなければなりません。しかも、純利益で1万円を儲けることは大変なことです。消費してしまう1万円は純利益の1万円だということも意識しなければなりません。
そうして、もう一度考えてみましょう。購入したい気持ちが大きいとき、本当に生産性があり購入する必要があるか、ほかに代替の方法はないかを考えてみるのです。その考える癖が必要なのです。
また、意識するあまり、生産性のある支出までも抑えてしまう経営者がいます。それでは発展は望めません。お客様・取引先に、この社長は「渋ちん」だなと思われてしまってはマイナスです。
大阪では、「ケチ」と「渋ちん」には違いがあるそうです。(あくまで、聞いたことがあることですが)「ケチ」は本当に必要な場合以外はお金を使わないことだそうです。「渋ちん」は必要な場合もお金を使わないことだそうです。経営者は、「ケチ」であるべきで「渋ちん」になってはいけないのです。